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町長室へようこそ No.62

エゾシカ対策

今冬のエゾシカは、昨年12月の豪雪以来、山から里に下りて麓や川淵に住みつき、中には倉庫をねぐらにしているものもいて、数頭で住宅街を歩きまわり、丹精込めて育てた庭木を食べたり、街中で道路に飛び出して車との衝突事故を起こすなど、例年と異なった行動に頭を痛めています。人里近くに出没するヒグマの場合は人に危害を及ぼす恐れがあるため、警察の許可を得てハンターに駆除してもらった事例もありますが、エゾシカは人への危害がないので、それも出来ません。

エゾシカは、猟期に入ると銃の使用が禁止されている時間帯(日没後から日の出前)に山から出てきて作物を食べる学習行動がみられます。これと同様に冬の市街地が安全と学習したのでしょうか。今のところ、網で庭木を囲うなどしてシカの食害を防ぐしか手はないように思います。

毎年農林被害を受けていることから、エゾシカの頭数を減らすため、昨年12月から猟友会の協力を得て捕獲・回収作業を進めています。森林管理署にもご協力をいただき、3月中旬までに補獲した数は合わせて約500頭になります。メスは春に出産するので、今の時期に減らすことが有効です。

また3月17日には、猟友会13名のご協力で一斉駆除が行われ、24頭が捕獲されています。
雪の残る道路を集団で移動するエゾシカの写真
これとは別に、町ではシカ柵を設置して捕獲する取り組みを計画しています。先進地の事例では、前年のうちから餌付けをすることでエゾシカの警戒が薄まり捕獲効果が上がるとのことから、昨年秋から元町の予定地で牧草・ビートパルプ等による餌付けを行っています。多い時には100頭近いエゾシカが集まっていました。餌を持っていっても逃げず、人にも慣れたようです。今年秋に柵を設置して捕獲を実施し、少しでも被害を減らしたいと思います。

町では昨年秋から捕獲したエゾシカの残し(一般廃棄物)を、発酵菌を使って微生物処理しています。木材チップの菌床にエスパス菌を混ぜ、シカ残しをその中に投入。水分調整しながら定期的に混ぜると分解が進み、約3日間で有機物分がほぼ消滅する効率的なもので、焼却に代わる方法として採用しています。

多かった雪もこのところの暖気で、融雪が進んできました。春近しですね。

滝上町長 長屋 栄一

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