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町長室へようこそ No.87

改選後民放ラジオの難聴問題

滝上町はHBC・STVなど民放ラジオの「はいり」が悪い。昨年総合通信局や民放に難聴対策について聞き取り調査した結果、滝上町の一部が放送区域外であることがわかりました。難聴解消事業は放送サービスエリア内で山間部(地理的難聴)やビル(都市型難聴)による電波障害を解消するもので、民放放送サービスエリアの区域外である滝上町は、この事業の補助対象にならない可能性が高く、新たに中継局を設置する場合、新規開局に4〜5年を要し、外国との周波数調整や、多額の建設費(2.5億円)、管理費がかかるとのことで、民放ではサービスエリア外での中継局の新設は非常に困難とのことでした。
いまどき町がある地域が、ラジオ電波のエリア外では情報僻地も甚だしく、早急に解消しなければならない問題です。最も心配されることは、雪害などの停電時に、携帯電話やスマートフォンは使えなくなり、最後に頼るのはラジオです。東北大震災の時にも震災発生時には災害情報伝達手段としてAMラジオの評価が最も高いことが明らかになっています。
道はじめ総合通信局、電気通信事業者などとAMラジオ受信に向け情報共有しながら要請活動を展開しています。AM中継局の新設要請の一方、AM波をFM波へ置き換えて光回線を活用する方法も視野に、早急に進めます。

日本のいちばん長い日

6月25日に東京市ヶ谷の防衛省本部施設に初めて入りました。要件は遠紋地区の基幹病院である遠軽厚生病院の産婦人科医師を、10月から2人引き上げる通告がされたことから、西紋別地区総合開発期成会要望に合わせ、佐々木遠軽町長を筆頭に遠紋地区首長と議長で産科医派遣を要請しました。しかし、防衛省の病院も産科医師は5名で定員より少なく、むしろ欲しいとのことでした。産科は女医の割合が高く、自身の出産などで仕事を離れることも背景にあり、周産期拠点病院化の方向も地方から引き上げる要因になっています。
市ヶ谷の防衛省本部施設は敷地面積23haの台地にあり、東に靖国神社、皇居を望むことができます。半藤一利著の「日本のいちばん長い日 決定版」では、広島・長崎に原爆が落とされ、昭和天皇は「もうこれ以上国民を苦しめるわけにはいかない」とポツダム宣言を受入れる覚悟を決めますが、受諾を巡り軍部は戦争終結の海軍と続行の陸軍で激論が続き、ご聖断が下った御前会議のあと、陸軍の一部と近衛師団の参謀達によるクーデター未遂事件(宮城事件)が起こり、ご聖断を覆そうと、玉音放送の阻止に動きます。8月14日正午から玉音放送のおこなわれる15日正午までの24時間を、天皇・内閣・官邸・軍部・侍従・放送局のそれぞれの動き、駆け引きを時系列で対比させており、戦後70年の節目の年に読むにふさわしい本です。
市ヶ谷は太平洋戦争中、大本営陸軍部・参謀本部がおかれ、終戦後はGHQ司令部そして極東軍事裁判の法廷として利用されました。
市ヶ谷・皇居で繰り広げられた受諾を巡る人間模様と戦争がいかに人間の理性を埋没させてしまうか、過ちを二度と繰り返してはいけないと、去る7月15日安保関連法案が委員会可決される同日、滝上町の戦没者追悼式で、この話をしました。

滝上町長 長屋 栄一

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