町長室へようこそ No.27
新過疎法制定にむけて

昭和45年(1970年)にできた過疎法は、以後10年ごとに3回延長されています。
過疎地域に指定されると生活基盤の整備事業を行う上でいろいろな優遇を受けることができますが、よく知られているのが借入金である過疎債、地元負担分を過疎債で借りると、償還時に7割が国から補てんされ、町の持ち出しは大幅に少なくて済むのです。
現在、全国の1,795自治体のうち過疎地域に指定されているのは730あり、全人口の8%に過ぎませんが、面積は国土の54%を占めています。過疎地域は豊かな自然を持つふるさとであり、都市に対して食料・水の供給、森林をはじめ国土の保全や癒しの場の提供、地球温暖化防止など多大な貢献をしています。地域格差が顕著になっている今、新たな過疎法の制定がますます重要と考えます。
過疎の言葉で思い出すことがあります。平成7年(1995年)頃でしょうか、北海道新聞の経済面に「寒風温風」という欄があり、そこに経済評論家の内橋克人さんが、「道北の滝上町長山口恒雄氏からもらった年賀状に“過疎地にも人は住んでいるのです”と書かれていた言葉に心を打たれた」との文章が載りました。
その年に出版された内橋克人著「共生の大地」岩波新書(図書館にあります)には、新しい経済の胎動のひとつに過疎に挑む童話村の挑戦も取り上げています。
平成6年(1994年)春、高校卒業式で山口町長が祝辞を述べ、「みなさんもまたよその地へ出て行くでしょう。どうか地元に残ってくださいと私は言いません。しかし、みなさんが都会へ行っても胸を張って、自分は北海道の滝上町の出身ですと言えるように、ここに残る私たちはがんばるつもりです」・・・本文より抜粋
しかし、本音はこう言いたかったのではないでしょうか、「みなさんが帰ってきても暮らせる町にしたい。そうするためにがんばるつもりです」と。この本を読み返して、あらためて童話村の真髄はここにあると確信した思いです。
北海道未来づくり環境展2009

フォーラムでは「資源循環型の現在・過去・未来」と題して、慶大の細田教授から現場を良く知った観点からの講演がありました。
廃棄物の発生抑制・再利用・再資源化政策は一定の効果はあったとしながらも、特にペットボトルは中国の経済成長によって価格が上がり、国外に流れてしまっている。問題は、使用済み製品・部品・素材などが日本に質の高いリサイクル施設があっても、高く買う中国人バイヤーに渡り質の低いリサイクルがおこなわれ、電子機器などは中国で汚染が起きてしまうことになる。国内リサイクルが基本であるが、市場経済の誘惑は強く、廃棄物処理はまじめな業者が損をする現象を生み出す。循環型経済社会の主役は民間だが、一定のたがをはめ国内で適正処理をしなければならないとの指摘がありました。
さっそく西紋の処理ルートを聞いてみたところリサイクル協会の指定する再生処理業者にわたっているが、末端まではわからないということでした。国内利用がされているか確かめる必要があります。
環境展では、最新の環境に配慮した機器・物産・ITなど290企業・機関の出展があり、その中で融雪ゴムマットは設置費も電気料も安く冬季間玄関などで利用できると思いました。カラマツ材をプロペラにした風力発電装置、おが屑を利用したバイオトイレ、水素と酸素からお湯と電気を作る家庭用燃料電池はざん新なシステムですし、立体印刷ができる3次元プリンター、水と炭酸ガスに分解する生ごみ処理機、鮭の内臓から作った鮭醤油と鳥の内臓から作った鶏醤はこれまで捨てられていたものを醗酵技術で製品化し、うま味が気に入りました。
今回は役場の若手職員も参加しました。今後の世の中の経済や研究の方向性を知る良い機会になり、仕事のヒントを得る勉強にもなったようです。今後とも機会を捉えて情報のアンテナを高く持ってほしいと願うところです。
いよいよ師走です。インフルエンザにかからないよう注意してください。
滝上町長 長屋 栄一
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