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町長室へようこそ No.40

医師確保に種子島へ

ポルトガル初伝銃の写真後任の外科医師を確保するため北海道地域医療振興財団に情報依頼をしていたところ、北海道に赴任を希望している外科医の情報を得ました。その先生の勤務地は鹿児島のさらに南、鉄砲伝来の地「種子島」、えらく遠い所ですがこれも縁かもしれないと何度か先方とやり取りをし、会ってもいいとの返事をいただきましたので、1月24日、種子島へ渡りました。旭川から飛行機を2回乗り継いで種子島空港まで距離は2,035キロ、乗っている時間だけでも4時間20分。
冬とはいえ亜熱帯に属する島ですから、寒くはないだろうと旭川でコートの内張りをはずして行ったところ、気温は9度でしたが風が強く予想外の寒さ、外を歩く島の人は本格的な冬着です。2日前に宇宙センターからHIIロケット「こうのとり」の打ち上げも終わり、泊まったホテルは我々を含めて3人だけ、暖房も十分ではなく、外は寒くても室内は暖かい冬の北海道がいかに恵まれているか再認識しました。

種子島宇宙センターと海岸線の写真目的の外科の先生と会い、滝上の状況を改めて説明し、病院は2名体制で、町内には老人施設と障がい者施設があるので、仕事は楽とはいえないが、是非お願いしたいと率直に要請しました。はるばる種子島まで行ったこちらの誠意は伝わったようですが、先生のところにはすでに北海道のもう一か所からも要請が来ていて、医者の確保に奔走している田舎の厳しさを共感しました。先生からは複数の依頼があるので考えさせてほしいとの答えでした。
都市部と比較して地域の医師不足は常態化しており、どの町も深刻な問題です。医療財団の情報によると内科医と比べ外科医は絶対数が少なく、十分の一の登録しかないそうです。しかもそのほとんどは札幌などの都市部を希望しており、地方希望は稀にしかないとのこと。臨床研修医制度が始まってから大学の医局に残る学生が激減し特にこの傾向が顕著です。外科医は手術が命ですから施設の整った大病院を希望する若手の先生が多いのも理解できます。そういう状況の中で医師不足の町村は苦慮しているわけです。

医師さがしには札医大をはじめ医療振興財団や医療専門誌、インターネットなどのほか町内の医療関係者の熱心なご協力もいただきながら進めています。少しの情報でも可能性を期待して常勤医を必ず見つける覚悟で取り組んでいますので、いま少し見守ってください。

滝上町長 長屋 栄一

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