町長室へようこそ No.72
山の幸活用視察研修
西興部村・下川町・滝上町の3町村で「山の幸活用推進協議会」を立ち上げエゾシカの活用に取り組んでいますが、このところジビエ(野生の肉)が見直され、料理に利用する事例が増えてきました。しかし地元ではまだまだ食わず嫌いというか、シカ肉と聞いただけで敬遠する人が多いのが実態です。このほどシカ肉の活用の事例を研修するため、3町村から9人(本町からは5人)で秋田県と札幌を視察しました。今回の目的は三つあり、一つは生ハムの可能性を調べる製造体験、二つ目がソーセージ等の製造工場の視察、三つ目が料理の試食です。
生ハムで、シカ肉の長期熟成タイプはまだ作られていませんので、ヒントを得るため国内で唯一製造体験のできる「グランビア生ハム塾」(秋田県仙北市)を訪問し、豚の生ハムの作り方・実習を体験しました。一人一本ずつ用意された後ろ脚(モモ)に塩をすり込み、最初の工程を行いました。この後、塩抜き・乾燥・熟成を経て1年後に完成予定です。ここでは他にイノシシの生ハムもありましたが、シカ肉は豚と比べ融点が低い・繊維が粗い・外側の脂肪が少ない・鉄分が多いため、長期熟成タイプは難しいとのことでした。

シカ料理ですが、秋田のレストランではエゾシカ肉をフランス風に仕上げ、前菜からメインデッシュまで味わいましたが、メンバーとして参加した3人の料理人も絶賛するほど完成度の高い料理でした。骨付きロースステーキなどは言われなければシカ肉とはわからないくらいです。

今回の視察でエゾシカ活用は、肉の素材と作り手が極めて重要であることが確認できました。特に料理を作る立場の方やハンターには、大いに参考になったものと思います。今後魅力ある特産品づくりに向けて取組みを進めていきます。
それにしても今年はシカが少ない。
滝上町長 長屋 栄一
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