町長室へようこそ No.74
新年度の訓示から
新しい年度が始まり、4月1日は辞令交付と全職員に対し訓示をしました。その中で今後の重要課題を二つ示しました。その一つは「担い手」確保の問題です。昨年12月以来幹部会議で毎回議論されている課題で、基幹産業である農業の畑作、観光、商工など、広範囲にわたっており、町の将来を見据えた具体的な施策を検討していかなければなりません。
また、町内の2つの福祉法人では、介護職の確保に苦労していますが、住民の皆さんからは中間施設の要望などさらなるニーズがあり、検討しています。問題はこれに応える人材をどう確保するかです。両施設と社協を合わせると百数十人の職員数となり、今や福祉事業は本町にとって大きな産業に位置付けられます。「担い手」の確保と「介護職」の確保は、今後の町づくりにおいて重要な課題です。
2点目の重要課題は「暮らしやすさ」の確保です。
少子高齢化が進み、我が国全体が人口減少社会に入って、生まれる人より亡くなる人のほうが多い、自然減が拡大していることにあります。もう一つの人口減少の原因であるいわゆる社会減については、やむなく都市部へ転出する事例が本町にも少なからずあります。高齢になっても永く滝上町で暮らしていただくために、高齢に伴い日常生活に障害となる様々な要因、例えば道路の除雪でたまった玄関先の排雪などを、いかに解決するかを考えていかなければ足元から減る人口を止めることはできません。「暮らしやすさ」を確保し、社会減を防ぎ、産業振興と新たな定住化を進めることは、「担い手」の問題と共に全庁的に取り組まなければならない課題です。
新採用職員への訓示
今年度の新採用は消防1人を含む6人となり、20年ぶりで地元滝上高校から1人を採用しました。数年前に公務員を目指す生徒を育ててほしいとお願いしたことが実を結びました。
これは、その中にとっぷり浸かっていると、自分の置かれている環境変化に気づきにくいことを例えたものです。慣れることは大事ですがその時の環境が当たり前と思ってしまうと、このゆでガエルのように手遅れになってしまう。町民目線から見て、おかしいと感じることを察知できる意識を常に持ち続けること。良いことに染まるのはいいが悪い慣習に染まってはいけない。
10年後、20年後に思い出してほしいものです。
滝上町長 長屋 栄一
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