町長室へようこそ No.165
診療所の改築
国保診療所の今後のあり方について無床化の検討を進めてきましたが近隣病院の病床急減や診療所交付金の改善見通しから、引き続き有床診療所として町民の皆さんの医療と健康を支えていく方向としたところです。有床の場合令和7年6月迄にスプリンクラーの設置が義務づけられていることから、現診療所に設備するか、スプリンクラーを設備した改築にするかを選択しなければならなくなりました。現診療所に設備する場合1億5千万円ほどかかりますが、建物は昭和50年代に建てられ、これまでも屋根を大規模改修したりしながら使用しており、老朽化は否めず早晩立て替えが迫られるのは避けられません。
そこで、新たな診療所を建設することにいたしました。場所につては現在地を予定しております。9月定例議会で基本設計費予算を議決いただきましたので、今後町民の皆様への説明と意見をいただく機会を設ける予定です。ご理解の程、よろしくお願い致します。
クロエゾマツ苗作りへ
昨年の広報11月号に天塩岳登山道の調査で、途中で出会ったクロエゾマツの巨木のことにふれました。実は以前に町内の林産業の社長さんから、北海道の林業のあり方としてトドマツやカラマツの50~60年サイクルで主伐・造林をする森林経営が主流ですが、その2倍の長さ迄育てて伐採する長伐期の山づくりを復活させなければだめだという話を伺っていました。錦仙峡の広葉樹には樹齢100年200年を超えるものもあります。針葉樹でも神社やお寺の境内に見ることが出来ますが、人工林としてはありません。
アメリカからの住宅用輸入材が高騰した後、少し価格が下がっているようですが、クロエゾマツ材は着色した心材がなく、淡い黄色で木目も美しく装飾材にも適しているそうです。50~60年のサイクルで伐採する山づくりに加え、100年以上の山づくりがクロエゾマツで出来るならば、高価な輸入材に代えて国産材としての価値は高いものがあると思います。
ところが、エゾマツは北海道の木に選定されているものの、苗作りは難しくほとんど行なわれていないのだそうです。そこで、高い技術を持っている地元の苗畑の社長さんにお願いし、同時にエゾマツの木は国有林の高い山に生育しているため種の採取を森林管理署に協力依頼をしていました。このほど種が採取できましたので、クロエゾマツの苗作りにチャレンジすることになります。成功すれば画期的なことで今から楽しみです。
滝上町長 長屋 栄一