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たきのうえゼロカーボンニュース VOL3

森林はどのくらいCO2を吸収するのか

 滝上町は町の9割が森林で占められ、林業・林産業も盛んです。
 森林がCO2を吸収することはよく知られていますが、その量まで答えらえる人はわずかでしょう。
 樹木一本当たりのCO2吸収量は、樹種や樹齢によって異なることはもちろんのこと、生えている土地や気候の状況によっても異なります。これはつまり、樹木は成長の度合いによってCO2吸収能力が異なるということです。
 一般的には、成長が著しい16~20年生くらいまでの樹木はCO2吸収能力も高く、その後樹齢が増すと徐々にその成長力は衰え、CO2吸収能力も低下していきます。しかし、吸収されたCO2は年々その樹木に炭素蓄積・固定されていきます。これは樹木が幹を太くし、枝や根を伸ばしていく成長そのものでもあります。
 以下のグラフは、トドマツ1haあたりの林齢ごとの炭素吸収量と炭素固定量の推移を示したものです。このように、森林には年間のCO2吸収量だけでなく、CO2蓄積量・固定量といったストックの表現もあるため混乱してしまうかもしれませんが、前述のように吸収量は16~20年生を境に低下していくものの、固定量は年々積み上がり成長していくことがイメージとしてもお分かりいただけると思います。
 ただし、このグラフでは単位がCO2(二酸化炭素)ではなくC(炭素)であることに注意が必要です。
 
   
             図 トドマツのCO2吸収量・固定量の推移
          https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/srk/81225.html

 では、森林1haが吸収するCO2量を計算してみることにしましょう。
 まず、上記のグラフのように炭素トン(t-C)という単位で示されているものを二酸化炭素トン(t-CO2)に変換する方法です。これは炭素トンで示されている数量に44/12を乗じることで算出できます。44/12というのは(二酸化炭素CO2の分子量)/(炭素Cの分子量)です。
 上記のグラフで11~15年生の炭素固定量(紺色線、右軸)が約3t-C/年と読めるとすると、二酸化炭素相当量としては3t-C×44/12=11t-CO2/年になります。つまり、11~15年生の1haのトドマツ林は、年間約11tのCO2を吸収しているということが言えます。グラフを見ると16~20年生ではもう少し吸収量が大きくなるように読めますが、21年生以降は減少していくことも同時にお分かりいただけると思います。
 これに対し、私たち一般世帯の年間CO2排出量は約3~4t-CO2と言われています。つまり3世帯分くらいのCO2排出量を吸収するためには、若くて元気なトドマツ林が1ha必要になるという感覚をお持ちいただけると良いと思います。ちなみに、1t-CO2の体積というのは、概ね半径5mの巨大な風船と同じくらいの体積です。

 近年、主伐の時期を迎えている50年生前後の高齢な森林が全国的にも多くの割合を占めるようになっています。このくらいの林齢になると年間のCO2吸収量も小さくなってしまいます。いま、日本の木材自給率は2000年頃の約20%という極めて低い時期を脱し、約40%にまで回復していますので、今後も適切な森林管理(伐る→植える→育てる)によって森林を若返らせ、より多くのCO2を吸収するようにしていくことが重要です。








 

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