ここから本文

たきのうえゼロカーボンニュース VOL5

蓄電池の基礎知識

 

 「災害が起こった時など停電時の備えとして蓄電池があったら安心かな」「蓄電池があれば日々の電気代の節約にもなるかな」とお考えになる方も多いのではないでしょうか。
 蓄電池とは、電気を「充電」し、使いたいときに「放電」する機器のことです。最近ではスマートフォン用のモバイルバッテリーを持っている方も多いと思いますが、これも小型の蓄電池の一種と言えます。
 近年、太陽光発電を住宅の屋根に設置する家庭も多くなりましたが、日中にあまり家におらず電力消費量が少ない場合に、発電量を自家消費しきらず余剰が生じることがあります。夕方や夜間に家に戻って電力を消費する際に、この昼間に余した太陽光の電力を使用したい場合、蓄電池を設置し、昼間に「蓄電」して夕方・夜間に「放電」することが可能です。

図1 蓄電池の蓄電と放電のイメージ

 蓄電池には「ポータブル蓄電池」と「定置型蓄電池」の大きく二種類があります。
 ポータブル蓄電池は、持ち運びが可能な小型の蓄電池ですので、一般的に蓄電容量は小さいですがアウトドア等の屋外使用時には便利です。近年では蓄電容量が1.5kWh=1,500Whを超えるポータブル蓄電池も販売されており、スマートフォンやノートパソコンであれば数十回分の充電が可能であったり、炊飯器やドライヤーを使用することも可能なものもあります。
 一方、定置用蓄電池は、基礎部分に蓄電池ユニットを固定し、配線工事を行い稼働させる蓄電池のことです。蓄電容量は家庭用であれば4kWh程度の小規模なものから15kWh程度のものまで販売されていますが、蓄電容量は最大で17.76kWhと消防法で定められています。蓄電池から住宅内に電気を供給できるように配線するため、災害時のみならず日常的にも賢く使用することで光熱費の削減に繋げることが可能です。
 蓄電池の法定耐用年数は6年ですが、寿命としては一般的に10~15年程度と言われています。ただし、充電と放電の頻度や使い方によって寿命が変化することも知られています。蓄電池は高温の環境に弱く劣化しやすいとされており、直射日光を避けて日陰になる場所に設置することが推奨されます。また、過放電や過充電についても劣化の原因となるため注意が必要です。蓄電池が空になったら充電する、満充電になったら充電を止めるといった基本が重要です。
 また、蓄電池には用いられる物質によっても種類が分かれており、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、NAS電池の4種類があります。家庭用蓄電池には小型化・高密度化が可能なリチウムイオン電池が用いられているのが一般的です。また、スマートフォンや電気自動車のバッテリーにもこのリチウムイオン電池が用いられています。
 太陽光発電と大容量の蓄電池を備えた自立型の電力供給モデルとしては、佐賀県小城市の市役所庁舎への導入事例が有名です。同市では、令和3年度に環境省の補助金を活用し、防災活動拠点の庁舎の駐車場に太陽光パネル(ソーラーカーポート)を設置し、合わせて蓄電池を導入して、災害時でも発電した電力を送り防災体制が維持できるようにしました。さらに、隣接する避難所の保健福祉センターにも発電した電力を送ることが可能となっています。この事例においては、蓄電池の種類として鉛蓄電池が採用されました。実に1,728個の鉛蓄電池(蓄電容量3,456kWh)を繋いでいます。太陽光発電の電力をほぼ毎日充電し、庁舎に対して給電するため、鉛蓄電池であれば充放電の頻度が高い場合であっても長寿命が期待でき、かつ発煙・発火リスクが極めて低く、使用後のリサイクルが可能という点がメリットとして挙げられます。


図2 佐賀県小城市の太陽光発電+蓄電池の活用モデル
(佐賀県小城市HPより)


このように、蓄電池は規模の大小や用途に合わせてさまざまな使い方が可能です。定置用蓄電池であれば国や町の補助金も活用できることから、太陽光発電の導入と合わせてぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
 

お問い合わせ

まちづくり推進課

〒099-5692

北海道紋別郡滝上町字滝ノ上市街地4条通2丁目1番地

電話:0158-29-2111

FAX:0158-29-3588

本文ここまで

ページの先頭へ